ボーダーライン。Neo【中】

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 ◇ 日記7

 1

 檜との交際に、付き合った当初の激しさが落ち着き、お互いの時間を充実させる日々が続いていた。

 本心を言えば、彼には毎日毎晩逢いたい。四六時中側にいて、もっと愛されたい。

 けれど、檜の音楽活動を思うと、そんな我儘は許されない。
 只でさえ、年上なのだから、とあたしは聞き分けの良い彼女を演じていた。

 それに何よりも、三年生の担任を受け持つあたしも同様に忙しく、仕事に没頭して寂しさを紛らわせる事が出来たのは何よりの救いだった。

 檜が逢いたいと言う時だけ、ちゃんと時間を空けて癒してあげられる存在。そんな余裕があたしには必要不可欠だった。

 直接逢う時間は当初に比べるとグッと減ってしまったが、電話やメールで逐一連絡を取り合い、あたし達は心で繋がっていた。

 土曜日の今日も、夜に逢う約束をしている。

 檜は学校が休みの今日でも、芸能事務所へ行く事とボイストレーニングをする予定があるため、多忙を極めていた。

 彼ほど時間に追われている高校生は珍しいんじゃないだろうか。

 あたしは午前中だけ学校へ行き、職員室で生徒の課題や勉強対策などを見直し、蔵書の多い書店へと足を運んだ。

 とあるショッピングモール内に入った書店なので、客層は子供からお年寄りまでと様々だ。

 雑誌を立ち読みする群衆の背を通り過ぎ、参考書が置かれた棚へと進んだ。

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