イジメのカミサマ
お互いがポケットからはみ出していた物を取り出すと、それは黒い封筒に包まれた手紙だった。
私は何かに操られるように自分の封筒を開き、中の手紙を読む。
『ケイショウセカイヘヨウコソ アナタハケイショウシャヲ ミキワメルギムガアル ギシキガハタサレタトキ ソレラハヤクメヲオエル』
「継承世界へようこそ。あなたは継承者を見極める義務がある。儀式が果たされた時、それらは役目を終える……?」
何のことだか分からない。
不安で仕方なくなって白髪の少女を見ると、彼女は目を見開いたまま手紙を見つめ、やがて震える手でそれをしまった。
「あの、何て書いてあったんですか? 状況も分からないし、お互いに手紙を見せ合った方がいいと思うんですけど」
私が恐る恐る提案すると、彼女はしばらく私を複雑な表情で見つめてから首を振った。まるで何かを振り払う様に。
「いいえ……大した内容じゃないわ。封筒には手紙と一緒にこれが入ってて、身の危険を感じた時に使いなさいとしか書いてなかった」
「果物ナイフ?」
彼女が取り出したのは小ぶりの果物ナイフだった。急所に刺せば敵を仕留められるけど、女の子が護身用に持つにはあまりに頼りない。
それに彼女の手紙の内容は私と比べて短絡的過ぎる。出来れば確認させて欲しかったけど、彼女はさっさと茶髪の少女に歩み寄って小さな体を乱暴にゆすった。
「ちょっとアンタ、いつまで眠りこけてるのよ! さっさと起きなさい」
「ふにゃ⁉」
私は何かに操られるように自分の封筒を開き、中の手紙を読む。
『ケイショウセカイヘヨウコソ アナタハケイショウシャヲ ミキワメルギムガアル ギシキガハタサレタトキ ソレラハヤクメヲオエル』
「継承世界へようこそ。あなたは継承者を見極める義務がある。儀式が果たされた時、それらは役目を終える……?」
何のことだか分からない。
不安で仕方なくなって白髪の少女を見ると、彼女は目を見開いたまま手紙を見つめ、やがて震える手でそれをしまった。
「あの、何て書いてあったんですか? 状況も分からないし、お互いに手紙を見せ合った方がいいと思うんですけど」
私が恐る恐る提案すると、彼女はしばらく私を複雑な表情で見つめてから首を振った。まるで何かを振り払う様に。
「いいえ……大した内容じゃないわ。封筒には手紙と一緒にこれが入ってて、身の危険を感じた時に使いなさいとしか書いてなかった」
「果物ナイフ?」
彼女が取り出したのは小ぶりの果物ナイフだった。急所に刺せば敵を仕留められるけど、女の子が護身用に持つにはあまりに頼りない。
それに彼女の手紙の内容は私と比べて短絡的過ぎる。出来れば確認させて欲しかったけど、彼女はさっさと茶髪の少女に歩み寄って小さな体を乱暴にゆすった。
「ちょっとアンタ、いつまで眠りこけてるのよ! さっさと起きなさい」
「ふにゃ⁉」