ビッチは夜を蹴り飛ばす。
「え、えっと、ゴーレフト、そのままストレート、ねくすとライト、どーん」
自分でも残念すぎる英語力だけど身を乗り出して顔の横に降りてきたお兄さんに身振り手振りで説明したらしばらくふんふん言っていて、最後にall right! と笑った。あ、良かったわかってくれた!
そのことに感激してじゃ頑張れ、ってにこにこして手を振ってから慌ててコンビニに走る。まずいまずい時間取られた早く戻らないと硯くんにバレ
まで思ったところでぐんと視界を覆われた。
口を塞がれそのまま一気に路地裏に連れ込まれて訳が分からなくて混乱する。後ろから頭を抱え込まれてシー、と上から声がして、見上げたらにこ、とさっきの外人に爽やかに微笑まれた。
騙された、と気づいたのはその時で。ぶんぶん顔を振って逃げようとしたらそこでわし、と両胸を掴まれた。
「…………………え?」
「oh good…」
「え、ぁ、やっ」
そのままむにむに、と両胸を揉みしだかれて動くことも出来ずにうええええ、と青ざめる。誰か誰か誰か、って思ってたらその筋肉質な外人があたしを見下ろして笑ったあと、そのまま自然な動作で服を託し上げて動きながら下着の中にまた手を突っ込んできてぎゃー!!
「や、ゃ、やだっ」
怖いのと擽ったいので泣きそうになりながらやめて、って言うのにそれがどうも逆効果みたいで男は荒い息を吐きながらいいね、みたいなことを言ってあたしを外灯の下のドラム缶の上にうつ伏せにさせた。そのまま密着するみたいにへばり付いてくるし後ろになんか当たってるし、でショートパンツの中に手が入ってきてやだって叫んで足を閉じる。
でも簡単にこじ開けられて自由に動かれて怖くて嫌で、そのままジ、って届くチャックを下ろす音に聞き覚えがあってすぐさまぼろぼろと涙が出る。
「ぁっ、や、だ、りくん、すずりくん、」
そこでとん、と外人の肩を誰かの手が叩く。で、それに振り向いた直後そいつは右方向にぶっ飛んだ。
「…なにをやってんのお前は」
「っ、ぁ、すずりく」
同意の上? って登場した硯くんにのんびり問われ、いや違うよわかるでしょって叫んだら逆上して向かってきた外人に硯くんは壁を使って三角蹴りをお見舞いし、ブロンドのにいちゃんは白目を剥いてぶっ倒れた。
「ぅ、っぐすっ」
「いつまで泣いてんの」
「だっ、て、だって、」