ビッチは夜を蹴り飛ばす。
ドMだもんね、ってそれ硯くんのせいでこうなった、って泣きながら顔を左右に振ったら一気に三本くらい差し込まれて身を捻る。
霞んだ瞳で唾液も飲み込めなくてベッドに仰向けでうぁ、ぁ、って鳴きながら縋り付くようにしてたらいつのまにか足の間に顔を埋めた唇にちゅ、ってあふれたそこを吸われた。それ、絶対そんなしょっちゅうすることじゃない。綺麗じゃない、汚いのわかってる? って頭で訊ねてても声にならなくてばかな声しか上がらない。
そのまま舌を捻じ込まれて中で唸るのを感じてひぅっ、て声を上げて逃げようとしたら腰を掴まれて執拗に攻められる。何度か小刻みに跳ねながらゃだ、ぁ、だめ、って回ってない呂律で腰を浮かせて必死に言えばだいぶえろいんだけどって笑われた。
やっとベルトを外す金属音がしてきてくれる、ってほっとしたら、指で擦ってたのと入れ替わるように簡単に飲み込んだ。待ってた、って応えるみたいに身体が一気に硯くんを受け入れて、まだ動いてないのに最奥に辿り着いたらそれだけでびくん、と身体が跳ねてしまう。
「…挿れただけでいくなよ」
「んん、んっ」
「その声やめて」
壊したくなる、って夜に煌めいた眼光にん、ってなんとか息を飲み込んだらゆるゆると動かれて、気持ち良くてあまい、あまい吐息が漏れる。
硯くんって、本当にEDだったの、って思うくらいその、セックスめちゃくちゃ上手いんだと思う。
あたしは硯くんしか知らないけど、や、正式には処女を奪ったのは栃野だけど。硯くんはひょっとすると他の女の人知ってるのかもしれないから、それで一瞬少し苦い顔をしたらそれを見逃さなかったのかいいところぐり、って擦られて悲鳴が上がる。
「…今なに考えてた」
「硯くんの、ことっ」
「絶対うそ」
「うそじゃな、ぁっ」
濡れすぎて硯くんは何一つ達してないのにあたしの真ん中はぐちゃぐちゃで、抽挿であたしのが絡み付いてるのがわかってごめん、って思う。たぶん硯くんとのセックスであたしは硯くんに犯されてるんじゃなくてあたしが硯くんを汚してる、って後ろめたさで紅潮してたら律動に愛液の音が絡みついた。
濡れてる音がやばくて少し前まで知らなかった圧倒的な快感にぽろぽろ泣きながらきす、って言ったら動いたまま胸に触れ、もう腫れてきた先を丁寧に愛撫しながら唇を奪われる。
「…ん、ぁ」
舌が上顎をなぞってその動作が好きだから、もっと、って薄く開いた目で訴えたらいつもと違う形で口の中も犯された。