ビッチは夜を蹴り飛ばす。
「っ…、ぁ」
「…めい ねむいのにこんななっちゃうんだ?」
「ちが、っ…」
べろ、とうなじをなめられてひぁ、って声が漏れる。そのままくぷんと差し込まれた指が自由にあたしの奥をなぞるから、やだ、って言うのに全然解放してくれない。
で、あたしのいいとこ全部全部知り尽くしてる手がどんどんだめなとこ攻め立ててうぁ、って声が漏れたらはーって深い息が漏れた。
ひく、ひくって軽く痙攣して涙目で呼吸するあたしの前に現れる綺麗な手。手タレみたいな白くて長い指が透明で濡れて光ってて、身を引こうとしたらぎゅっとそのまま抱き竦められて耳朶に唇が触れる。
「ねえ何これ、鳴」
「っ…」
「淫乱」
「や、ぅ」
むり、って言ってんのに口に軽く指を入れられて、唾液と愛液で濡れた手で服をたくし上げれた。Tシャツの下に着てたブラタンクトップもまくられて恥ずかしくて俯くのに、濡れた手で下からすくうように指の腹で胸の先を撫でられてその度びくっ、びくってバカみたいに跳ねてしまう。
「ぁ、や、っ」
「おれ全然舐めてないのに濡れてんの。これ全部鳴のだよちゃんと見て」
「ゃだ見たくないっ」
もうすっかり硯くんの手で開発され敏感になった身体がまた上り詰めて跳ねた時、ぐすっ、て生理的な涙が出る。寝ようとしてたのにぐちゃぐちゃじゃんって後ろから言われるけどこれ全部全部硯くんのせいだから!
そのまま素っ気なく抱き竦められていた体が剥がれるからくるりと振り向いて乱れた服を整えながら睨んだら、ベッドの上で頭に肘をついていていつもの綺麗な顔がほのかに口元だけ笑ってた。わっっっるい顔してんなと思いつつ抱き着こうとしたらこれだ。
「だめ」
「え」
「おれ今日する気ない」
「さっきしたいって言った!」
「気が変わった」
「え、生殺し?」
「だって眠いんでしょ」