ビッチは夜を蹴り飛ばす。
「抱くね」
甘ったるい声で言われて滑り込んできた手に容赦なくショーツを脱がされる。大声を張り上げて泣き喚くあたしの悲鳴も栃野の手のひらに塞がれて、瞬間強烈な痛みが全身を劈いた。
快楽とは程遠い経験したことのない痛みに一瞬意識が飛びかけてかはっ、て嗚咽するのに構わず2、3打ち付けられてうう、って声の合間に喉がぎゅうって収縮する。
「やーばすっげー締まる」
「ぁっ、痛、痛いぃ…っ」
「俺ず──────っと想像してたの…お前のことぐっちゃぐちゃにすんの、ねえやばいめちゃくちゃ気持ちいいお前ほんと最高じゃん」
動きながら乱暴に前髪を掴まれて首が反る。「中に出していい、」と吐息で耳打ちされてぐしゃぐしゃの顔で抵抗する。それすら興奮したみたいであたしの唇にむしゃぶりつくと一気に熱を引き抜いて便器に射精したようだった。
「そんなヘマしねーよん」
あースッキリした、ってズボンを直してトイレの壁を蹴破って振り向きもせずに出て行く栃野に、あたしはぐちゃぐちゃになった姿で壁伝いにタイルの床に倒れ込む。
別棟のトイレは薄暗くて埃っぽく、まるで光が差し込まない。遠くで何も知らない女生徒たちの笑い声が微かに聞こえてくるなかで、
あたしの啜り泣く声だけが反響して耳にまとわりついていた。