ビッチは夜を蹴り飛ばす。
「——————金出してここに全部詰めろ」
「ひっ…お、お待ちください」
「早くしろ!!!!」
全身黒服のマスクと帽子の刃物を持った男の襲来に、小太りのコンビニの店長が慌ててバッグにレジのお金を詰めていく。もたもたするなと男が刃物の先を店長に向けたその瞬間、
誰かがナイフを蹴り上げた。
コンビニの入り口のポップな音楽に紛れて現れたハワイ柄のシャツにサングラスの男女二人組。腕組みしながらぷう、と風船ガムを膨らませた少女に並んでサングラスをあげた男は、
待ってましたと言わんばかりの反応を見せる店長を前に蒼い瞳で微笑んだ。
「おにーさん おれと一緒に あっそびーましょ」