ビッチは夜を蹴り飛ばす。

　
　
「…なんで脱がしてるお前の息が上がってんの」

「う、だ、だって、す、すごい硯くん肌きれい、」

「どうも」

「見えそうで見えないのすごくいい、」

「きもちわるい」


　またきもいって言われた！　と思った矢先に唇を塞がれて、あと真ん中のボタン一つなのにと思いつつ脇の下に手を入れられて硯くんの上に座り直させられる。

　上にいるから深く唇が合わさってまた舌と唾液が絡み合うのに、くっついてるのに足りなくて硯くんの横髪を手で少し撫でたらそれが好きなのか舌が吸い付いてきて生理的な涙が出る。


　そのままずる、ってだんだん上から下に下がってキスで押し倒されてから、何度か甘い痺れが首や鎖骨に降ってきてその合間にゆっくり触れられる右胸には、ぁ、って甘い吐息が漏れる。



　すごいおかしくなる。硯くんの手ってだけで、もっと触って欲しくてねだろうとしたら舐めて、って言われて口に手を入れられる。

　優しくするって言ったのにそこまで優しくないじゃんか、って苦しくてぷはって解放されてから、服をたくし上げて今度は心臓のある方に歯をたてて濡れた手をショーツの中に潜り込ませた。


「———ぁ、っは、んぅ」

「締めないで。力抜いて」

「ん、っ、ずりくん、なかゆびから、いれないでっ…」

「じゃどっから入れんの」

「………こゆび」

「あほか」


　ずぷ、と容赦無く指が潜り込んできて中を掻き回すからおかしくなって腰が浮く。声を堪えながら動きに合わせて逃げるような仕草をするのが気に食わないのか胸の先に近いとこを舐めていた舌が先を捉えてひぁ、って甲高い声が出る。

　そのまま濡れた音が耳を舐めてどんどん加速していってぱちん、って頭の中で弾けたらだら、って体から力から抜けていった。


　嫌だって言ってるのにやっぱり口許を拭いざま手の甲の愛液を舐めていて、あたしの視線に気づいたらちょっと見せつけるようにしたから睨んだらまた入り口を擦られた。


　外側を上下に行き来して、だめなとこに触れるたびびくっ、びくって跳ねるのが面白いのか硯くんは愉しそうだ。こっちは必死なのに。てかあたしの身体はおもちゃじゃない。


「………もう焦らさな、ぁっ」

「だって指だけで悦ぶから」

「ゆびじゃいや、」

「何だったらいいの？」

「………っ」

「めい」

「うぁっ」