雨と新しい靴と
新しい靴を買った。

さっそく、履き心地を試しながらショッピングでも楽しみたいところだけど

あいにく、今は梅雨時。
天気予報は連日、当然のごとくかさマークが踊る。

(あ~ぁ。なんで梅雨時に買っちゃったんだろう)

未練がましく、先日一目惚れした、爽やかなデザインのパンプスを見やる。

淡い水色が気に入ったのに雨を彷彿とさせるのが、なんとも物悲しい。

「はぁ~」

彼女のため息に、側で雑誌を広げていた彼女より幾分年下の少女が顔を上げる

「お姉ちゃん。夏はもうすぐだよ?」

半ば呆れたようにクスクスと少女は笑う。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
数日前。ショッピングモール

「お姉ちゃん。ソレ今買っても履けないんじゃない?」

コレにする!と上機嫌の姉に妹は軽く指摘をいれる。

「いいの。いいの。夏はもうすぐそこよ?」
と笑った姉。

多少、衝動で買った雰囲気は否めなかったが夏らしい、さわやかな色合いを選んだ姉は、しっかりしてるのか微妙なところだ。


子供のように雨とのにらめっこ中の姉にやれやれと少女はため息をつく。

そして

「早く晴れるといいね」
と、心でこっそりつぶやいた。
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

人魚の秘密
信乃/著

総文字数/502

絵本・童話1ページ

表紙を見る
あさ
信乃/著

総文字数/601

その他1ページ

表紙を見る
気まぐれ日記
信乃/著

総文字数/5,455

詩・短歌・俳句・川柳87ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop