裏切り姫と恋の病
「俺の正体知りてーだろ?」
男の言葉に、ゆっくり頷く。
「お~し、じゃあ一生俺様についてこーい!!
一緒に夜を明かそうぜ、希乃香ちゃーん」
男になぜか肩を抱き寄せられた。
この人……なんかさっきから変。
普通初対面の私に、ここまでグイグイくる?
「あ……の!どこへ行く気なんですか!?」
「んな、いちいち説明するのもめんどくせーだろ。
ついて来れば分かるような場所ー。」
「わっ、私あなたのこと知らないのに……一緒になんか行けない!!」
もしかしたらさっきの男みたいに悪い奴かも知れないのに。
それに、この男。どっからどうみても怪しい。
そんな男についていくほど、警戒心ないわけじゃない。