裏切り姫と恋の病
ガバッと勢いよく肩を組まれて、春の体重で体が傾いてしまう。
超がつくほどの至近距離に、あたふたな私は『離れて!』と言えないほど焦っている。
ふと、顔をあげると、春と目があった。
ただでさえ透明感溢れる春のグレーアッシュ色の髪が、太陽の光で透けていて。
色気が半端ない。
男の人に使っていいのか分からないけど……、綺麗すぎて見惚れてしまうくらいだ。
「希乃香、そんなに見つめられると俺、穴あいちゃうよ?」
「ーーッ!?」
「なに。もしかして、千風なんかよりも俺のこと好きになっちゃった?
うんうん、見る目あるぞーお前。」
「そっ、そんなんじゃないから……!」
「照れんなよ。
昨日一緒に寝た仲だろ?」
「別々のソファでね!」
「……つれないね~」