もう二度ともう一度〜高見真知子の場合〜
「縁結びの方がいらっしゃいました。」
「なるほど・・悲しい恋だったのですね、
お二人は」
私は、彼女のお話を聞くうちに、愛し合う二人が時代や周囲の環境の為に引き裂かれて行った事に、少し同情してしまいました。
「でね、もしまた失敗したり彼がいなくなったら、もう一度最初からやり直したいの!いいかしら?」
そう言われた私は、急いで規約を確認しました。ルールでは肉体がまだこの世で生きている内には行き来が可能とあります。
「なによ!もう何時間も無いわ!?」
まあまあ、と私は【時間】の概念を説明致しました。我々の側に魂が来たら、下界よりよほど容量があるのです。
「即ち、こう言う事です。感覚的にはわからないでしょうが、生があればもうこのやり取りで過ぎた時間は二ヶ月分ぐらいになります。しかし、我々に流れた時間は数分でしょう?だから、あちらに行ってる間は二年でもこちらでは一時間程度です。」
と、言う事は肉体が魂を失って死んでしまうまで、心臓なり脳が停止するまではいつでもここに戻れます。
「たぶん、死後硬直が進行するだろう、ざっと朝まで。人間時間で最低でも約6年はありますよ!」
彼女はそれを聞いて安堵してくれました。でもそれを過ぎたらそのままどうなろうと、向こうでやり直して運命を変えて頂く他ありません。
「そう、じゃあどうやってここに戻ればいいの?」
そうですね・・あ、わかりました。私が彼女の死体に触れている間は念話が出来る様です。
「こちらと交信は可能ですね」
やった、とても嬉しそうにして頂いています!これでなんとかなりそうですね。他に担当している方がこの近くて良かったです。
「やったぁ!今から逢いに行きます!」
そう言うと、彼女は行ってしまわれました。それから10分は経ったでしょうか?
「ちょっと!あんたこれどうなってんの!?キスも無かったわ!!」
そう、無茶を仰られます。
「いや、私共にはちょっと分かりかねますが・・」
「なにか他にいいカードとか、無いの!」
そう言われても持ち合わせがありません。とりあえず、まだトライする時間はあります!そうお話しました。
そして、あれから、十数分でしょうか?
「うぅっうぇぇえぇ〜!早川君、行かないでぇぇぇ!?」
泣きながらお戻りになりました。私、なんとかお慰めしたのですがなんとも泣き止まれません!
「わ、ワダジのなにがイケないの?直すから!お願い直すがらぁ〜〜!」
困りました!早川さんがどう言う方かよく知りませんが、見ず知らずの子供の為に生命を散らしたほどの方だったハズ。
私は途方に暮れてしまいました。
「ど、どうしたらよいでしょうか?」
そう聞いても、泣きっぱなしです。しかし、このままでは単なる時間の浪費です。
なんとかしなければ、そう思っていた時声を掛けてくれた方がいました。
「なにを泣く?人間の女よ・・」
私達は同時に「誰ですか?」と聞いてしまいました。なんとそのお方は・・
「フッ・・!私の名はエゥロセウス。縁結びの愛天使(キュピト)エゥロセウス!」
彼はそう言うと泣きじゃくる彼女に微笑みを投げかけて、その叫び、訴えに耳を傾けるのでした。
お二人は」
私は、彼女のお話を聞くうちに、愛し合う二人が時代や周囲の環境の為に引き裂かれて行った事に、少し同情してしまいました。
「でね、もしまた失敗したり彼がいなくなったら、もう一度最初からやり直したいの!いいかしら?」
そう言われた私は、急いで規約を確認しました。ルールでは肉体がまだこの世で生きている内には行き来が可能とあります。
「なによ!もう何時間も無いわ!?」
まあまあ、と私は【時間】の概念を説明致しました。我々の側に魂が来たら、下界よりよほど容量があるのです。
「即ち、こう言う事です。感覚的にはわからないでしょうが、生があればもうこのやり取りで過ぎた時間は二ヶ月分ぐらいになります。しかし、我々に流れた時間は数分でしょう?だから、あちらに行ってる間は二年でもこちらでは一時間程度です。」
と、言う事は肉体が魂を失って死んでしまうまで、心臓なり脳が停止するまではいつでもここに戻れます。
「たぶん、死後硬直が進行するだろう、ざっと朝まで。人間時間で最低でも約6年はありますよ!」
彼女はそれを聞いて安堵してくれました。でもそれを過ぎたらそのままどうなろうと、向こうでやり直して運命を変えて頂く他ありません。
「そう、じゃあどうやってここに戻ればいいの?」
そうですね・・あ、わかりました。私が彼女の死体に触れている間は念話が出来る様です。
「こちらと交信は可能ですね」
やった、とても嬉しそうにして頂いています!これでなんとかなりそうですね。他に担当している方がこの近くて良かったです。
「やったぁ!今から逢いに行きます!」
そう言うと、彼女は行ってしまわれました。それから10分は経ったでしょうか?
「ちょっと!あんたこれどうなってんの!?キスも無かったわ!!」
そう、無茶を仰られます。
「いや、私共にはちょっと分かりかねますが・・」
「なにか他にいいカードとか、無いの!」
そう言われても持ち合わせがありません。とりあえず、まだトライする時間はあります!そうお話しました。
そして、あれから、十数分でしょうか?
「うぅっうぇぇえぇ〜!早川君、行かないでぇぇぇ!?」
泣きながらお戻りになりました。私、なんとかお慰めしたのですがなんとも泣き止まれません!
「わ、ワダジのなにがイケないの?直すから!お願い直すがらぁ〜〜!」
困りました!早川さんがどう言う方かよく知りませんが、見ず知らずの子供の為に生命を散らしたほどの方だったハズ。
私は途方に暮れてしまいました。
「ど、どうしたらよいでしょうか?」
そう聞いても、泣きっぱなしです。しかし、このままでは単なる時間の浪費です。
なんとかしなければ、そう思っていた時声を掛けてくれた方がいました。
「なにを泣く?人間の女よ・・」
私達は同時に「誰ですか?」と聞いてしまいました。なんとそのお方は・・
「フッ・・!私の名はエゥロセウス。縁結びの愛天使(キュピト)エゥロセウス!」
彼はそう言うと泣きじゃくる彼女に微笑みを投げかけて、その叫び、訴えに耳を傾けるのでした。