ボーダーライン。Neo【下】
廊下を歩きながら、サンキュ、と礼を述べる。
「ううん、そんな事ない。それに邪魔した分はきっちり返したかった、ただそれだけだから」
茜は茶目っ気に笑い、肩をすくめた。
「それに。わたしの方こそありがとね?」
「え? 俺? 感謝される事なんて何もしてないけど?」
「いーから、いーから。
わたしはこれからも仕事頑張るし、いつかは竹原さんを凌ぐマネージャーになってみせる! その目標が出来たのは檜のお陰だもの」
だから何で俺なんだ、と思いはするが、深く問い詰めるのはやめにした。
「ふぅん。なんかよく分かんないけど。
まぁ、頑張れば?」
「うん!」
フッと小さく笑いかけると、茜は彼女らしい笑みで微笑んでいた。
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