ボーダーライン。Neo【下】
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社長の許しを得た翌日。
美波さんの書いた記事が、週刊誌へと掲載されていた。
今朝出勤すると、竹ちゃんから読んでみろと言って渡された雑誌は、大手出版社の“週刊TRY”だ。
内容に関して簡単に捉えると、僕と幸子の過去の交際を肯定する記事だった。
誌面の問いや発言者の言葉を、じっくりと読み込む。
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Q:交際の事実が明るみに出て、先生は解雇をされたんですか?
男子A:結果としてはそうです。先生だけがクビになって、Hinokiは当時の影響力から退学にはならずに停学で済まされました。
でもHinokiはその処分を黙って聞き入れられなかった。だから壇上に上がり、全校生徒の前で、全部本当の事を話したんです。
教師と生徒も一人の人間。恋愛感情を持ってもおかしくないって。
この意見には僕も賛成しました。
Q:「壇上に上がった」というのは?
男子A:体育館で演説したんですよ、彼が。
事態を収拾するために臨時で全校集会が開かれて、その時に。
Q:「演説」ですか? 全校生徒の前に立つなんて、物凄く目立ちますよね?
男子B:そういう事をサラッと出来ちゃう奴なんですよ。とは言っても、相手が先生だったから、必死だったんだと思いますよ。