ボーダーライン。Neo【下】
おじさんとおばさんは今日の結婚式を本当に喜んでくれていて、嬉しくなった。
「ところで檜くん。サチからは聞いてるんだけど、一緒に生活してどう? 楽しくやれてる?」
「え、ああ、はい。凄い楽しいですよ? 昔と違って知らない一面も発見できて、飽きないです。何よりご飯がめちゃくちゃ美味いし」
「ああっ、そう言えばサチ言ってた。檜くん外食ばっかりしてたんでしょ? 今は若いから良いけどいつか体壊すってボヤいてたよ?」
「アハハっ、それ直接言われました。だから今はカロリー面とかも考えて作ってるって。それに、幸子ってかなりの倹約家なんで、着々と貯金もしてくれてて。そっちの面では全面的に頼ってます」
「そっかぁ。また家にも遊びに行かせて貰いたいんだけど、今は檜くんの部屋だから無理なんだよね?」
「あ、はい。一応事務所から家を教えるなって言われてて。すみません……。新居が決まって落ち着いたら、また遊びに来てやって下さい」
「ええ」
そこで「二葉さん」と若い男性が、美波さんに声を掛けた。
不意に目が合い、会釈する。
「美波さんの彼氏さんですか?」
そう言って手で差し示すと、美波さんは大袈裟に右手を振った。