ボーダーライン。Neo【下】
「あぁ、違う違う!! 今一緒に仕事してるパートナー。まだ新米だからあたしが教育係引き受けてんの」
「へぇ」
ーーそうなんだ。
「あ、本日は誠におめでとうございます! TRY編集部の鮫島と申します!」
宜しくお願いします、と握手を求められ、どうもとそれに応えた。
「またFAVORITEの取材をする時、彼も同行するからと思って。今日は無理やり引き連れて来たの」
「そっか」
再び美波さんに視線をやり、やんわりと微笑んだ。
「てか、檜くん! ホント何着ても様になるよねぇ?
白のタキシード、スッゴい似合ってるよ? まさに王子様って感じ!」
「ハハ、それはどうも」
彼女のテンションに昔を思い出し、思わず苦笑した。
「美波さんは相変わらずですね?」
「え?」
「昔から俺の事、からかってばかりじゃないですか」
「アハハ、キミっていじると面白いのよ。まぁ、今は昔みたいな反応、見れないんだけどね~」
そう言って美波さんは肩をすくめる。
「美波さんも……。さっさと結婚した方が良いですよ?」
「えぇ??」
「じゃないと本当にいき遅れますから」
そう言って笑みを浮かべると、美波さんはあからさまに頬を引きつらせた。