意地悪執事はお嬢様を独占したい
「大丈夫ですか!!」
「大丈夫」
「ほんと、千結様が家族思いなのはわかりますが怪我するところだったのですよ!私が止めに入ればよかったのに……っ」
一条はどこか悔しそうな表情をした。
心配してくれたんだろう。そんな一条に柔らかくふっと微笑んだ。
「ありがとう。でもね、私後悔してないよ。お母さんに怪我がなくてよかった」
そう言うと一条は目を見開く。
「…ほんとお人好しですね」
諦めたように呆れたように笑う一条に苦笑いを浮かべる。