赤い花、君に見せたい青
私の体から流れた血は、この地面を赤く染めるのだろう。それはきっと空から見たら花のようなのだろうか。いや、人の血なのだから綺麗なものではないな。

ぼやけていく視界に青が映る。空、美しい空だ。私はこの青空を見ながら死んでいくのか。たくさんの兵たちに囲まれて、死んでいくのか。独りではないことに少し安心する。

でも、小菊を置いて逝ってしまうことは胸が苦しい。小菊は今頃何をしているのだろう。私が死んだと知ったら、涙を流してくれるのだろうか。

愛しい人との永遠の別れ、それがいつ起こってもおかしくないのがこの時代。頭ではわかっていても、自分が体験してみるとあまりにも悲しすぎる。

頭の中に浮かんでいくのは、小菊と過ごした日々。あんな風に私は小菊の隣で笑っていたのか。こんなことで笑い合ったのか。私の目から涙がこぼれ落ちる。最期くらいは、泣いてもいいだろう?

もしも、願いが叶うのならば、生まれ変わることができるのならばーーー。

愛する人と歳を重ねられる平和な時代に生まれたい。
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