新 発 売【短篇】
CMの雰囲気から察して、スポーツ飲料か健康ドリンクと踏んでいた俺。
口の予定が変わった。
いやいや、コーヒーと安易に考えた方が無難か?
お茶かもわからん。でもあのCMの爽やかさから連想すると……、いやまてよ、裏をかいてポタージュ系?
思考の迷路にはまっていたその時、サラリーマン風の男が額に汗を流しながらグビグビと『最高DAKARA』を一気飲みしながら俺の横を通り過ぎて行った。
……ポタージュ系は消去だ。
コーヒーも何だか雰囲気が違うぞ、こりゃ。
取り敢えず男が来た方角へと走る。
そして見つけた一つ目の自販機。
あっ!!
『最高DAKARA』……見つけたよ、フフ。
焦らせやがって、たかが缶飲料如きの分際がっ!
おもむろに自転車を停め、ポケットから130円。
まぁまぁ……、どっちだっていいんだから、取り敢えずはね。
隣の『最低DAKARA』は売り切れている。
コインをスマートに入れる。
……チャリン……
……10円……落ちて来た。
……チャリン……!
10円!おい……!
チャリン……
ギザジュー!!!!
さっき入ったじゃん!