新 発 売【短篇】
じぃぃぃぃぃぃぃぃぃさんっ!!!
やってくれたじゃん。
俺はバラバラに崩れた小銭と、一瞬の気の迷いで買った『ラムネ(風味)』を持ってその場に立ちつくしていた。
疲れた。真っ白な灰になっちまった。
たかが缶飲料。
何をムキになってたんだ。
トボトボと負け犬の遠吠え……いや、負け犬の胸の呟きをしながら帰路につく。
ポケットでは、沢山の小銭がチャリチャリと寂しげな音で、太ももに当たっていた。
さっき買った『ラムネ(風味)』で気を紛らそう。
そう思いながら通った一軒の駄菓子屋の店先。
俺は目を疑った……
小さな冷ケース。
飾り程度に並んだ何本かの飲み物に紛れて、『最低DAKARA』
あの真っ黒なパッケージが目に飛込んできた。