暗闇の先に…
白んできた空を眺めながら、出て行く事を心に決めた
太陽が顔を出した頃、重たい腰を上げマンションへと足を向ける
今日はマンションで過ごす最後の日…
あの日…陸斗に会えたから今の私がここに居る
あの時、陸斗が義父から助けだしてくれたから私は笑って暮らせてる
それだけで十分だ
陸斗には本当に感謝してもしきれない程…
ここ最近…皆すれ違いばっかりで一緒に夕食も食べてもらえなかったから、最後くらい 感謝の意味を込めて豪華な食事を作ろう
携帯も財布も置いて来たからマンションに戻って買い物をしよう
マンションに着いた頃、太陽は高く上がっていた
部屋の前まで来た私はカギを持ってくる事 自体 忘れていた事に気が付く
輝真が開けてくれる事を願い、部屋のチャイムを鳴らす