暗闇の先に…
市内から少し外れた海がある小さな町、住み込みで働いて早くも7ヶ月が過ぎた
仕事もだいぶ慣れてきて、職場から近い学校にも馴染んできた
平日は、8時から16時まで働いて 18時から22時まで学校に通っている
この寮の目の前には、海が広がり海水浴場になっている
仕事も学校も休みの日は、ほとんど浜辺に下りて海を眺めて過ごしていた
冬の夕暮れのなか、海を見ながら思い出すのは陸斗達と過ごした日々
もぅ戻るつもりはないけれど、ふとした時に会いたくなる
「彩、いつもココに居るよね」
ホットコーヒーを手に20歳になった酒井優希(サカイ ユウキ)さんが隣に立った
「まぁた考え事?」
「いえ、別に……そう言えば、今日 工場長が寮に住んでいる人限定で食事に連れて行ってくれるそうですよ」
「マジで?!やったー!食費が浮く〜ッ」
語尾に音符が付きそうなテンションで喜んでいる酒井さんを見ながら、凛を思い出した