暗闇の先に…
ただ私の過去を皆に知られない為には、これ以上 陸斗や皆とは会わない方がいい
やっぱり…簡単に会えないように、ずっと遠くへ行くべきなんだ
そう思った瞬間、力強く抱きしめられた
「彩夢…一人で解決すんじゃねぇよ。それに、例えお前が 遠くに行ったとしても必ず見つけ出す。だから、もぅ逃げんじゃねぇ」
逃げる…確かに私は、ずっと逃げて来た
だからと言って、立ち向かう勇気は私にはない…
「ムリ、だよ……私は……菜摘が言うように、生まれてこなければよかったんだ!」
涙が溢れ陸斗の服を濡らした
「彩夢!そんな事言うんじゃねぇ」
グッと掴まれた肩、陸斗の真剣な眼差し
「俺は、彩夢が生まれてきて良かったと思ってる…彩夢の過去があるからこそ、俺と彩夢は出会えたんだ。そうだろ?」
ーーーそうだ…私の過去があるからこそ、あの日…陸斗に会えた
「彩夢…必ず守ってやる。だから…俺の女になれ」
「………っ私なんかで…いいの?」
「なんかじゃねぇ。彩夢がいいんだ」
それを聞いた瞬間、さっきまでと違う涙が溢れた
そんな私の涙を優しく拭うと、そのまま触れるだけのキスを落とす
次はゆっくり会いたいと言う陸斗に、笑顔で返事をした