暗闇の先に…
タラリと流れ落ちる変な汗
ギュッと目を瞑り、全てが終わるのを待つ
「おい」
声を掛けられてハッと目を開く
目の前には、整った綺麗な顔があった
確か男達は……『玖賀』って言ってたっけ…
寒さで頭が回らず、ボーッとしたまま周りを見る
玖賀って男の後ろに数人の男達が倒れている
相手は複数人居たのに、傷一つなく息も上がってない
それに目を瞑った時間は長くなかったはず
「お前、震えてるぞ。大丈夫か?」
「え……?」
言われて手を見ると恐怖からなのか、寒いからなのか確かに震えていた
「ここは物騒だからな、女一人でいると危険だぞ。早く家に帰れ」
真剣な瞳で見られて、思わず目を逸らす