暗闇の先に…

だから私は 自分は幸せになったらダメなんだって思ってた


「それでも…私は…ずっと、あの生活から逃げたかった…あの人から逃げたかった」



でも…それが出来なかったのは…


私自身 幼かった事もあるんだけれど


結局は一人で生きていく力もなければ覚悟もなかったから


今思えば、周りに助けを求める事だって出来たはずなのに…


 
本当の自分を周りに知られたくなくって、ずっと隠し続けてきた結果、気付けば学校の先生や仲良かった友達でさえ一線置いていた


だから本当の意味で信頼出来る友達が出来なかった



あの日…勢いで家を出たけど…どうしようもない空虚感(くうきょかん)に苛(さいな)まれていた


何の為に生まれてきたのかも…何の為に生きているのかも…わからなくなっていた


私は死んでもいいとさえ思っていたんだ




「そんな時に陸斗に出会ったんだよ。それからは…陸斗と一緒にいると 安らぎを感じた。皆と一緒にいると 心から笑えた。今、人生で一番幸せなの。だから…これは、その代償。これで、やっと開放されたんだ」



そして、義姉のおばあちゃんの人生を踏みにじった代償。



「…そうか」



陸斗は優しく微笑みながら、私の頭を撫でた
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