暗闇の先に…
部屋を出て教えてもらった洗面所に行くと、顔を洗って自分用の歯ブラシを手に取る
目の前の鏡を見ながら服を捲ると、赤黒いアザがあちこちにある
「はぁ…ーー!痛ッ」
気を抜くと痛みが広がる
軽く触れるだけでも痛い…無理もないか……
でも…もぅ、こんな痛みにも耐えなくていいんだ…それに、あんな思いも…
思い出すだけで気分が悪くなるので、頭を左右に振り考えるのを止めた
リビングに行くと、陸斗がコーヒーを飲みながらソファーに座っている
「…おはよう」
「おぅ、もぅ起きたのか。まぁ、隣 座れよ」
隣を手でポンポンしながら座るように促される
少し離れて陸斗の隣に座った
「……昨日、遅かったのに起きるの早いんだね」
「まぁな、学校あるし。あ。お前、学校は?」
「卒業式まで学校は休みなの…」
「そう言えば…名前しか知らねぇな、俺ら。今は時間ねぇし、帰ったら色々と教えろ。あと輝が起きたら遅刻してでも学校に来いって伝えとけ」
バタバタと準備をして家を出て行く陸斗に「行ってらっしゃい」と声を掛けた