暗闇の先に…

さっそく、夕食の準備にとりかかる


大きめの鍋にバターを溶かし玉ねぎ、シメジを炒め ドミグラスソースと赤ワインを入れる


ハンバーグを両面焼き、ソースの中に入れて煮込む


「ん〜、いい匂い!さ、煮込んでる間にサラダ作らなきゃ」


手早く材料を切り、サラダを作る
ふと壁時計を見ると17時


そろそろ学校から帰って来る時間かなぁ?


まるで専業主婦になった気分
サラダとスープも作り終わった頃に玄関の扉が開いた


「「ただいま」」


どうやら、一緒に帰って来たらしい

リビングに入ってきた二人に「お帰りー」と声を掛ける


「お、ウマそーな匂い!」


「マジだ!何?お前、作ったの?」


陸斗に続き、輝真が言う

「うん!お世話になってるから…味の保証はないけど……あ、そうだ!二人共、食べれない物とかなかった?」


「俺は、食えれば それでいい」


「俺も、腹いっぱいなれば何でも食うし」


つまり、二人共 好き嫌いはないって事だよね……


「なら良かった」


ホッとした時、制服から私服に着替えた陸斗が思い出したように口を開いた


「彩夢、今日20時くらいに出掛けるぞ」


「え?そ~なんだ…気をつけてね」


「お前も行くんだよ!」

はぁ…と ため息をつきながら言うのは輝真


「え?私も??」


「ココに夜1人で置いとけねーだろぅが」


そんな小学生じゃあるまいし…


「大丈夫だよ、1人でも」


「お前が良くても、こっちが、ダメだから言ってんじゃねーか。馬鹿か」


輝真が言ってる意味が分からず首を傾げる

「ってか、馬鹿ってヒドくない?」


「んじゃ、早めに風呂入って飯食うか」


「俺、先に入るわ」


二人共、私の言葉を見事にスルーした

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