暗闇の先に…
冷蔵庫に凭れながら陸斗は じっと私を見ていた
「……どうしたの?」
「明日の卒業式って…お前の親、来んのか?」
一瞬、ドキッと心臓が嫌な音を立てる
「…来ないよ」
目を逸らしながら言う。
何でそんな事を聞くのか不安になってくる
手を拭いたタオルをギュッと握り締める
「卒業式は何時くらいに終わる?終るくらいに迎えに行く」
「え?」
予想と違う事を言われて顔を上げると、陸斗と目が合った
「でも…陸斗、学校は……?」
「早退するから大丈夫だ」
「いいの……?」
私の髪を撫でながら優しく笑う
「さすがに卒業式には参加してやれねぇけどな」
「うぅん、平気。……ありがとう」
胸の中がじんわり温かくなって、何故か泣きたくなった