ガーディアン~君に向ける敵意を僕は全力で排除する。
女神の心が無垢なほどガーディアンの姿は美しく、気性も穏やかであった。

しかし、女神というもは嫉妬深い。

知恵をつけた人間を楽園より追放したほどに。

美しさに執着し、殺し合うほどだった。

母神イゼベラはとくに嫉妬深く、セシリアの美しさを妬み、ガーディアンである真白を欲しがった。

イゼベラは親しい神、ロキに頼みセシリアを毒殺し、真白を我が物にしようとするも、真白はそれを拒み自分の胸を剣で突き刺して自害した。

吟遊詩人オスカーが残した文である。

セシリーは静かに本を閉じると、

「オスカーめ、好き勝手なこと書いてくれますね」

不機嫌な顔を真白に向けた。

「あながち間違ってはいないと思いますよ」

「ふん、どうせ、貴方の事を美しいと書いてある事が嬉しいだけでしょうに」

「いえいえセシリーの事も美しいと書いてありますよ。それも美しさそのものだとも」

セシリーは頬を赤らめる。
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