子連れシンデレラ(1)~最初で最後の恋~
「黒沼、戻ったぞ」
秘書らしき男性を呼び、私を彼に紹介した。
「その女性は??」
黒沼さんは首を傾げ、私を見つめる。
「あ…彼女は俺の恋人だ。だから・・・その・・・寿々子さんの勧める見合いは断ってくれ」
彼の言う寿々子さんとは筒見寿々子(ツツミスズコ)副社長だと思う。
彼女は彼の亡くなった母親の恋敵。
社内では「女帝」とも呼ばれる筒見副社長には筒見社長も顔が上がらないらしい。
「恋人って・・・??」
「君は何も言わなくてもいい・・・黙っててくれ」
「社長、名前は??」
「名前?あ・・・君の名前を訊いている…答えてくれ」
筒見社長は私に耳打ちする。
鼓膜を擽る彼のボイスを心地良く感じながら、私は黒沼さんに自己紹介する。
「阿川凛香です」
「阿川さんですか…私は秘書の黒沼渉(クロヌマワタル)です」
「お仕事は?」
「仕事は当ホテルでハウスキーピングの仕事をしています」
「あ・・・ウチの従業員ですか・・・ホテル内での色恋は仕事に支障が出ると反対しているクセに社長は従業員に手を出したんですか?」
「・・・君も馬鹿正直に答えなくてもいいだろ?全く」
「申し訳ありません・・・」
秘書らしき男性を呼び、私を彼に紹介した。
「その女性は??」
黒沼さんは首を傾げ、私を見つめる。
「あ…彼女は俺の恋人だ。だから・・・その・・・寿々子さんの勧める見合いは断ってくれ」
彼の言う寿々子さんとは筒見寿々子(ツツミスズコ)副社長だと思う。
彼女は彼の亡くなった母親の恋敵。
社内では「女帝」とも呼ばれる筒見副社長には筒見社長も顔が上がらないらしい。
「恋人って・・・??」
「君は何も言わなくてもいい・・・黙っててくれ」
「社長、名前は??」
「名前?あ・・・君の名前を訊いている…答えてくれ」
筒見社長は私に耳打ちする。
鼓膜を擽る彼のボイスを心地良く感じながら、私は黒沼さんに自己紹介する。
「阿川凛香です」
「阿川さんですか…私は秘書の黒沼渉(クロヌマワタル)です」
「お仕事は?」
「仕事は当ホテルでハウスキーピングの仕事をしています」
「あ・・・ウチの従業員ですか・・・ホテル内での色恋は仕事に支障が出ると反対しているクセに社長は従業員に手を出したんですか?」
「・・・君も馬鹿正直に答えなくてもいいだろ?全く」
「申し訳ありません・・・」