今日もキミのとなりにいたい
【第2章】忘れられない
教室に戻ると、机の横にかけてあったはずの椿ちゃんのカバンは無くなっていた。

きっと、早退したのだろう。

早く良くなるといいけど…。

具合はどうか、後で連絡してみよう。さっき連絡先を交換しておいて正解だった。


頼まれた資料を配り終わって少し経つと、杉山先生が戻ってきて資料の説明を話し出した。

その間ずっと、先生の話もろくに聞かずに

…いや、違う。

聞かなかったんじゃない、聞けなかったんだ。

ぼんやり窓の外を眺めながら、話を聞いているフリをした。
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