今日もキミのとなりにいたい
五分くらい経っただろうか。

廊下を通る生徒や先生は壁と一体化している私を見て、まさかここに人がいると思わなかった!と言わんばかりに少し驚いたりジロジロ見てくる。

さすがにそろそろ行かないと。

ちらっと職員室の方を見ると、まだ2人は廊下で話をしていた。

邪魔するの、申し訳ないな…。

私は重い足を動かして、先輩の方へと向かった。


近付くと私から話しかける前に、先輩は私の接近に気がついてくれた。


「おお!お疲れ様!!やっぱちょっと道に迷ったか?」

「すみません時間かかっちゃって…」

「全然!!最初はどこにどの教室があるとか覚えるのに苦労するよな〜」


先輩の隣にいる女の人の方を見ると目が合ってしまい、すぐに目を逸らしてしまった。

大きな目に長いまつ毛。

この学校にこんな美人がいたなんて。
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