すれちがいの婚約者 ~政略結婚、相手と知らずに恋をしました~
興味を持ったら・・・
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資料を探しに来た時に、小さな身体を延ばして本を取り出そうとしている彼女の姿が目についた。
頭ひとつ分くらい小柄な彼女が、頑張って手を延ばしている姿につい手を差し伸べていた。
背後から彼女の身体を覆うように目的であろう本を抜き取ると、少し驚いた表情でお礼を言われた。
そして、すぐに本の中身を確認して再びお礼を言われる。
眼鏡の奥の大きな瞳でしっかりと視線を合わせ、自然に浮かべた笑顔で。
その表情を見た瞬間、心の奥にざわついたモノを感じた。
「……どういたしまして」
そのまま彼女を見ていることが出来なくて、視線をはずした。
最近いつも座っている定位置の椅子に腰かける。
机ふたつほど隔てた出入り口に近い位置に座る彼女。
視界に入らないが、存在を感じる距離。
この距離感が不思議と心地よかった。
席に戻った彼女も本を開いていつものように読書を始める。
チラリと盗み見るように視線を上げると、楽しそうに口元に笑みを浮かべていた。
先程も感じた心のざわつき。
それは彼女に対する自分の個人的な感情。
『ちょっと、かわいい人だな…』
そう思った自分に対して、信じられない思いで持っていたペンを強く握った。
そして、興味を持つ。
彼女は誰だ?
資料を探しに来た時に、小さな身体を延ばして本を取り出そうとしている彼女の姿が目についた。
頭ひとつ分くらい小柄な彼女が、頑張って手を延ばしている姿につい手を差し伸べていた。
背後から彼女の身体を覆うように目的であろう本を抜き取ると、少し驚いた表情でお礼を言われた。
そして、すぐに本の中身を確認して再びお礼を言われる。
眼鏡の奥の大きな瞳でしっかりと視線を合わせ、自然に浮かべた笑顔で。
その表情を見た瞬間、心の奥にざわついたモノを感じた。
「……どういたしまして」
そのまま彼女を見ていることが出来なくて、視線をはずした。
最近いつも座っている定位置の椅子に腰かける。
机ふたつほど隔てた出入り口に近い位置に座る彼女。
視界に入らないが、存在を感じる距離。
この距離感が不思議と心地よかった。
席に戻った彼女も本を開いていつものように読書を始める。
チラリと盗み見るように視線を上げると、楽しそうに口元に笑みを浮かべていた。
先程も感じた心のざわつき。
それは彼女に対する自分の個人的な感情。
『ちょっと、かわいい人だな…』
そう思った自分に対して、信じられない思いで持っていたペンを強く握った。
そして、興味を持つ。
彼女は誰だ?