心の鍵はここにある
……どうして触れてくれないの?
「……里美の裸、綺麗だ……。部屋、明るくしたいくらい。胸、隠さないで……」
不安から無意識のうちに右手で胸を隠していた私の腕に、そっと触れて再び私の素肌を遮る物がなくなると、直哉さんはそのまま左手と私の右手を繋ぎ、しっかりと指を絡めた。
所謂『恋人繋ぎ』だ。再び直哉さんの唇が私の唇に落ちて来た。
私を慈しむように優しく啄むその唇は、次第と耳から首筋へと移動していく。
それに伴い、接吻も段々と大人モードに変わって行く。
彼が接吻した箇所は全て唾液で濡らされて、ダイニングから漏れている灯りに照らされて、ますます淫らな光景へと変化する。
洋服で隠れる場所の接吻は、チクリチクリと時々痛みが走り、気付けば赤い花びらが舞い散っている。
蕩けている状態では、何をされているのか、況してや生まれて初めて経験する行為がどう言う事なのか、まるで分からない。
全てを直哉さんに任せて、私はただ、与えられる快楽を貪るのみ。
胸元の愛撫でかなり蕩けた私は、無意識に腰を浮かせながら快楽の波を逃している。
そして、いよいよ下半身へと愛撫が施されて行く……。
直哉さんの右手が、胸から徐々に下腹部へと移動して、私の敏感な部分へと到達した。
左の胸を舌先で転がされ、左手で右胸を指で弾かれたり軽く抓られたり、敏感な部分への刺激は止まらない。
その上で一番敏感な、まだ誰にも触らせた事のない未開の場所を、右手が優しく弄っていく。
直哉さんにそっと触られるだけで、私の身体は淫らに揺れる。
初めて味わう感覚に戸惑いはあるものの、快楽に溺れていく。と同時に、淫靡な声も漏れていく。
私の喘ぎ声に合わせて、欲情している直哉さんは更に刺激を与えてくる。
私は余りの快感から逃げようと、身体が自然と上に動いて行くのを、直哉さんが見逃す筈はなく……。
左手でしっかり腰を掴まれてしまい、上半身を起こした彼は、私の両脚を開いて、顔を私の秘部へと埋めた。
「えっ……? やだっ、やめてっ、恥ずかしい」
私も上半身を起こしながら懇願するも、その願いは聞き入れては貰えない。