心の鍵はここにある
私の返事に直哉さん頷くと、動くよと優しく囁いて、腰をゆっくりと動かし始めた。
* * *
全身を貪りあう様に愛し愛されて、体力を消耗し尽くした私は、腕を動かす事すら出来ない位に疲れ果てていた。
対する直哉さんは、就職してからもたまに運動をしているせいか、少し休憩を取るだけで、何事もなかったかの様にベッドから起き上がった。
「汗もいっぱいかいたし、敷きパット換えるから。一緒にシャワー浴びるぞ」
そう言って、シーツの上に敷いていた汗取り用の敷きパットを洗面所に置いてある洗濯機へ放り込み、クローゼットの中の収納から、換えの敷きパットを取り出してベッドに装着した。
そして私はそのままお姫様抱っこ状態でバスルームまで運ばれて、身体を綺麗に洗い流してくれた。
途中、イタズラで胸にキスをされたりしたけれど、私の身体に力が入らないのを分かっている直哉さんは無理強いはせずに、身体を綺麗に洗い流してくれると、全身をタオルで拭いて再びベッドまで運んでくれた。
「明日の朝もしたいけど……、無理っぽいな。仕事は休んでゆっくりしたらいいよ。
これからは毎日この部屋で一緒に寝るよ」
ベッドの上で、私の下着を着せてくれ、脱がされたTシャツとホットパンツを履かせると、直哉さんも自身の下着を履いて服を着た。
そして、改めてベッドに横たわり、一緒に眠る。もちろん、直哉さんの腕の中で……。
お互い土日の疲れが出て、寝落ちはとても早かった。
そして、翌朝。
やはり私は腰に力が入らないくらいに疲労困憊しており、起き抜けに襲われる事はなかったものの、出社出来ない状態で、直哉さんが直接藤岡主任に改めて電話をしてくれた。