言わなくていいから
「友達になれると思ってたんだけど、無理だったわ」


いつも通り、玲奈が何を考えてるかが分からない。


いつもならそれが楽だけど、今はそれが怖い。


「ねぇ、玲奈?
なんでも聞くから全部話して?」


やはり掴みどころのない話をのらりくらりとされている事に気がついて怒りも鎮まった様子でももちゃんが聞く。


「話すことなんてないけど」


「じゃあなんで私の事嫌いになったの?」


「あんたみたいなね、愛されて当たり前みたいな女が一番嫌いなのよ」


ももちゃんも俺も思わずポカンとしてしまう。


「理玖だってさあんなに遊んでたのにもも一筋って…
コウもさ水族館の時、私がいなくなっても気づかないのにももの靴擦れには気づくもんね
今だってそうだよ、ももには駆け寄るけど私が怪我してることなんて気づかないもの」


「え…?」


自分のことが話題に上がると思わなくて驚きが止まらない。


そもそもそれなら嫌われるのは俺なんじゃないか?
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