言わなくていいから
今思えばいつも俺の家を出る時に 鍵閉めてね と声をかけてたのはそれを言い訳に玄関まで来て欲しかったんだろう。


せめてセフレに嫌われないようにって朝早起きしてメイクもしてたんだろう。


「玲奈ってさ、俺のこと好きだったりする?」


「何馬鹿なこと言ってんの?」


ガチトーンで返ってきた。


「えー?」


「簡単に恋愛できるほど無傷じゃないんだよこっちはさ」


「どういうこと?俺に教えて?」


玲奈に今まで彼氏がいないという話は思っていたよりも重い事実だった。


教えてくれた話はこうだ。
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