言わなくていいから
メイクは薄くだがしてある。


起きてだいぶ経ってるんだろう。


それにしても隙がないな…


寝顔も見せないってか


…ほんとに


“ちょうどいい“相手だ。


「じゃ、家主が起きたことだし
私は帰るね」


「おう、じゃあまた」


「またね」


初めて来たはずなのに慣れたように廊下を歩いて玄関に向かう玲奈。


「鍵ちゃんと閉めてね」


玄関から声をかけられた。


…知らない家も、そこから出ていく流れも完璧か。


「はいよー」


ありゃセフレが切れたことがないタイプの女だな。


俺の事なんて考えてない、だからあいつが何考えてるのかわからないのか。


まぁ別にいい。


ただ楽だからという完全私情で長く付き合っていきたい。


…この距離感で。
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