愛しの彼女
そのくせ寒がりで背中に隙間がないほどカイロを貼っている。


今でもそうだが…



そして、ポケットにはいつもカチカチになったカイロが入っていて…



「お姉ちゃんのカイロの方が大きいよ〜交換しよっかぁ?」


と恐ろしい笑みで近づき、純粋な俺を騙し、かわいいキャラクターカイロをよく奪い去って行ったものだ。


オッサン臭い冷えたカイロを握らされた俺は、震えながら登校…



今思い出しても涙が出そうだ。


そして必ずと言っていいほど、奴のかばんの底には謎のお菓子のカスが溜っている。


たまに使用済みの絆創膏が丸めて入っていたり…



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