日向ぼっこ
「昨日、日向に甘い声でだぁいすきって言ってたからそう思ったんだけど…やっぱり当たりだった?」
ニヤニヤしながらジリジリと近づいてくる。
…言っちゃってたな。
昨日は、思ったことをスルッと言葉にできたから恥ずかしいことも言えた。
あたしは酔うと危ない、ということに気がついた。
もうお酒間違っても飲まない…。
「…好きじゃないよ」
この人に気がつかれたら色々とまずい。
からかってきて、すぐ本人にバレそう。
「へぇ。じゃあ俺、美桜ちゃん狙っちゃおうかなー」
ニヤニヤした顔を崩さず言う湊くんに、一瞬固まる。
「へ?」
狙っちゃおうかな…って。
え!?
「いいでしょ?日向のこと好きじゃないんだもんね」
追い詰められたあたしの顎を掴んで、強引に目を合わせられる。
ちょっ…この雰囲気は危ない!