日向ぼっこ

湊くんから発せられる雰囲気に呑まれそう。


「ねぇ、美桜ちゃん」


耳元で囁かれて、くすぐったくて少し横に逃げる。


「…は、離してくれませんか…?」


「へー、美桜ちゃんって耳弱いの?」


…全く聞きいてくれません!!


離してって言ってるのに!


もうこれ以上近づかれたら本当に…、キスしてしまいそうな距離。


しかも湊くん顔が整ってるし、あたしも一応女だからドキドキする。


男慣れしてないし…。


湊くんの体を押し返してもびくともしない。


ここで男女の力の差を感じる。


「ふっー」


「っ…」


耳に息を吹きかけられ、ビクッと体が震える。


顔に熱が集まるのを感じながら、湊くんを睨む。


「そそるね、その顔」


…変態には逆効果だったらしい。

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