日向ぼっこ
そういえばお母さんに昨日泊まるって電話した時、言ってたな。
『あんた、彼氏ができたから言ってよねー!帰ってきたら色々聞くから覚悟してなさい』
お母さんがやたらキャピキャピした声で騒いでて、否定するのが難しかった。
「学校、遅刻するぞ」
ため息をつかれながら日向くんに言われて、時計を見ると。
もう8時半!?
9時までには学校にいなきゃいけない。
「ここから学校まで何分で着く…?」
恐る恐る聞く。
「えーと、最寄り駅まで10分くらいでそこから学校まで歩いて…全部で約20分くらい?」
もう学校に行けるくらいバッチリ決まってる湊くんが答えてくれた。
さっきまでノーセットだったのに今はおしゃれにセンター分けでゆるく巻いてる。
「そうなんだ…じゃあ後10分で家出なきゃ!」
急いで朝ご飯を食べる。
髪は…手櫛でいいや。
そんなあたしを見た日向くんが無言で近づいてきた。
「はぁ、お前本当に女か?」
困ったような顔で言われて、首を傾げる。
え?女です…けど?
「えっと…?」
「俺がやる、座って」
言われるがまま日向くんの前に座らされて、大人しくする。