日向ぼっこ

「…なんなんだよ、まじで」


「…すっ、すみません!腰が抜けたみたいで…立てなくて」


今になって、さっきの恐怖の代償が出た。


腰抜けるなんて…初めてだ。


てか、迷惑かけまくってるよね!?


こんな駅のホームで座り込んでる変な女と一緒にいるんだもん。


みんな見てるし!


「きゃー!あの人かっこいい!」


「え?知らないの!?有名だよ!」


「えぇ?そうなの?」


「あの人は、」



そんな声が近くで聞こえてきた。


周りの人がみんな振り返るくらい、すっごいイケメン。


はぁ、とため息をついてあたしに背を向けて屈んだ。


「ほら、乗って」


「えぇ!?これ以上迷惑かけるわけにはいきませんよ!?」


「駅でずっと座り込んでる方が迷惑だろうが!」


あ、…それもそうか。


納得してしまったあたしは、ゆっくり彼の背中に乗る。

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