日向ぼっこ

「あっ、あたし雨で濡れてますよ!やっぱり降ります!」


忘れてたけど今あたし制服びしょ濡れだったんだ。


「いいよ、もう」


そう一言言って軽々、歩き出した彼。


細く見えたけど、…意外と筋肉あるんだなぁ。


なんて、背中に乗りながら思った。


…てか密着度が意外と高くて、恥ずかしい!!


心臓の音聞こえてないかな?


今のあたしの心臓、すっごく大きく高鳴ってる。


……やっぱりこれって。




恋…かな。



恋したことないあたしが一目惚れしたの?



今まで恋した経験がないから確証はない…けど、


「あったかい…」


今日初めて会った彼の背中はとても、あったかくて優しい香りがした。


心地よくて、思わずうとうとしてしまう。


「おい、家ってどこ?」



そんな声が聞こえた時にはもう、あたしは意識を手放していた。


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