本日よりニセカノはじめました

急いで荷物を旅行用バッグに詰め込んで、玄関を出た。




「じゃあ、行こう。」



彼はそう行って私の手をひく。
当たり前につながれた手に、寒さに赤くなった鼻に、少し掠れた声に、酔ってしまいそうだった。


私の歩幅に合わせて、今にも落ちてきそうな星空の下、また2人で歩き始めた。






< 9 / 10 >

この作品をシェア

pagetop