極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
*
「千紘社長……」
部屋の中へ入った途端、抱き寄せられて腕の中へ閉じ込められた。
驚いて顔を上げれば、今度は唇を塞がれる。
それが少しずつ深くなり、苦しくなって、彼のスーツの上着をぎゅっと掴んだ。すると、ゆっくりと唇が離れていく。
「やっぱり嫌?」
不安そうに揺れる彼の瞳を見つめて、私は小さく首を振りながら「大丈夫です」と答える。
すると、安心したように彼が笑った。そして、私を軽く持ち上げると寝室へ移動する。
気が付くと、私の身体はベッドへと沈んでいた。
スプリングが軋む音がして、彼が私を素早く組み敷く。
スーツの上着を脱ぎ捨て、片手でネクタイを緩めると、ワイシャツの第一ボタンを外す。そんな彼の仕草が色っぽくて、ついぼんやりと見惚れてしまった。
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