極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
撫でられるたびにくすぐったくて、反射的に身体がピクッと反応してしまった。

そんな私の反応すら楽しむように、千紘社長はじっと私を見つめて、しばらくするとぽつりと呟く。


「この際もう遠回しな言い方はやめた方がいいな」


私の首に触れていた手が不意に肩へと回り、そのままぐいっと引き寄せられる。気が付くと、私は千紘社長の腕の中にいた。

突然のことに動揺して固まっている私の耳に、千紘社長の唇が寄せられる。


「君が好きなんだ」


そう告げた彼の声は少し震えていた。


「俺と、結婚を前提に付き合ってほしい」


耳元で聞こえる声。

密着した身体。

そして、鼻をかすめるシトラスの香り――。

千紘社長と身体を重ねた昨夜の記憶が鮮明に蘇り、私はきゅっと目を閉じた。




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