極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
この愛を信じて
*
『社長はそのままで充分に素敵な方です。自分に魅力がないなんておっしゃらないでください。私は、社長の魅力をたくさん知っています』
その言葉に、俺がどれだけ救われたのか。彼女はきっと気付いていない――
俺にとってこれまでの恋愛はすべて苦い思い出だ。
金目当ての女。社長夫人の座を狙う女。声を掛けてくるのはそんな女性たちばかり。
どの女性も最初は俺を好きだと言うものの、次第に化けの皮が剥がれていく。
彼女たちが見ているのは俺ではなく、俺の家柄や財産、肩書きだけ。
今度の女性は大丈夫だ。信じよう。そう思うたびに裏切られた。
どうやら俺の価値は家柄や財産、肩書きにしかないらしい。それらがなくなれば、俺は誰からも見向きもされないのだろうか。
そう思ったら空しくなって、自分には一生まともな恋愛ができない気がした。
そんな頃、彼女に出会った。