極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
「やっぱりそうか。話の途中で外から物音がしたから気にはなったが、やっぱりあれはお前か。ということは、会議のあとに仕事を押し付けて残業させたのはわざとだな。笹崎を男と食事へ行かせないために仕組んだんだろ」

「そんなわけあるか」


思わず大声で反論してしまう。店内の客の視線が俺に注がれ、恥ずかしくなったのでお茶を飲んでごまかした。

客の視線が俺から逸れたのを確認して、今度は小声で奏介に告げる。


「奏介と笹崎さんの会話を立ち聞きしていたのは認める。でも、わざと彼女に仕事を押し付けたわけじゃない。結果的にそうなってしまっただけだ」


さっきは落としてしまった舞茸を再び箸でつまむと、今度は素早く口の中へ放り込んだ。
< 145 / 387 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop