極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
俺の過去の恋愛をすべて知っている奏介が、同情するように深く頷いた。俺は言葉を続ける。


「そしたら笹崎さんに言われたんだ――」


『社長はそのままで充分に素敵な方です。自分に魅力がないなんておっしゃらないでください。私は、社長の魅力をたくさん知っています』


その言葉が、すっと胸に染み込んでくるようだった。

真面目な性格なのか、普段から笹崎さんは仕事以外のことをあまり話してはくれない。

けれど、あのときは俺の目をじっと見つめて、彼女なりのまっすぐな言葉で、俺自身にも魅力があることを伝えてくれた。その気持ちが嬉しかった。

それと同時に気が付いた。

俺はやっぱり笹崎さんが好きだ。

初めて見た瞬間、‟ああ、この子だ”と思った俺の直感は間違っていなかった。

笹崎さんは、俺自身を見てくれる――

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